ゲーセン裏話 第五話

久々の更新、御馴染みゲーセン裏話です。

店長の息子

 このお話にも何度も出てきた例の店長ですが、見た目は50才くらいなのですが実はそれよりもかなり若かったのです。みんなオスの子供が3人いて、一番上は中学、一番下は小学校にも上がっていませんでした。その一番上の息子は日曜日のサッカー部の朝練が終わると決まって店にやってきます。「フジさん、お願いします(ニヤリ)」が合図で、私はバーチャ2に5クレジットほど入れてやります。あとはひたすら技の鍛錬に励み続けるのですが、これがまたうまいのうまくないのって。ラウ(だったっけ?タオパイパイみたいなキャラ)とかアキラの最強コンボ技とかを連続で何回も出したりで、私などフニャフニャに遊ばれます。浮かされたが最後そのまま地面に触れることなくやられるので、ここまであっさりやられると逆に気分が晴れ晴れします。彼よりもちょっとでもうまそうな客が来ると、闘争心を丸出しにして、「ちょっと、あいつヤキだ」と言って乱入、若さをバネにムキになるその様が特に面白く、私はちょっと距離を置いたカウンタからその様子を暖かく見守ったものです。ボタンが調子悪いときも彼が気づくのが一番早く、「1Pのパンチ、反応悪いんだけど」と教えてくれます。

 しかし考えてみれば、彼は物心ついたときから、ファミコンなどのオモチャではなく「本物」ばかりやっているわけですから、うまいのは当然といえば当然かもしれません。キャプテン翼のボールを、コンパネのレバーに置き換えたようなものです(本当か?)。それにしても「家がゲーセン」とは実にうらやましい息子です。

バーサスシティ改良計画

 そんなわけで、私がゲーセンにいたのはちょうど格闘ゲーム全盛期で、次第に対戦型筐体が登場し始めた頃でした。初めは2台の筐体で配線を引き回して対戦筐体を作っていましたが、ある日ついに一体型筐体がうちの店にもやってきました。
おお、これで移動が楽になる、おまけに静電気対策もしてあるからビリビリからも開放だと喜んだのも束の間、実はこの筐体には大きな欠点があったのです。それはサービススイッチが片側にしか無いということでした。ですから1Pに人がいるときに2P側からサービススイッチを押してクレジットを入れるという、それまで当たり前だったことが出来ません。おまけに1P側は店の入り口側だったので、心理的にもよくありません(何がだ?)。

 そこで工作好きなバイト長のロン毛さん(仮名)が、これではいけないと早速配線を引き回し、2P側のモニタ下の店長にばれない場所にスペシャルサービススイッチを装着、無事この問題は解決されたのでした。

最初で最後のバーチャ大会

 その頃、うちの店でも大会を開こうという話が持ち上がり、私の記憶する限り最初で最後のバーチャ2大会が開かれました。しかし、何やら法律がどうのこうのということで、優勝者だけにモノをあげたりとかっていうのはやってはいけないということが分かり、参加者全員に「アサヒスポーツドリンク・バーチャ缶」をプレゼントということになりました。大会をやるとアサヒの営業さんに言ったら快く2ケース置いていってくれたので助かりました。そしてある日曜日の昼、本当に人が集まるのかという不安を裏に、20数名の常連さんが集まりひとときの盛り上がりを見せました。もちろんその中には店長の息子と彼のライバル達も含まれていたのですが、トーナメントの人数調整で、なぜか店長と私も参加することに…全員から参加費として100円を頂き、メガロを使って大会スタート。店長はコラムスはプロですが、バーチャ2なんてやったことありませんので、ポカポカにやられ、私は何とか2回戦まで行けましたが、不幸にもそこで息子と当たってしまい、もちろんポカポカでした。結構な盛り上がりのうちに無事終了した大会でしたが、結局誰が優勝したのかは今となっては忘れてしまいました。確か身内だったような記憶がちらりほらりと…

 気がついたら、前回触れていたウルトラマンのお話を書くのを忘れていますね。というわけで、まだまだ続きますのでお楽しみに。

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