このファイルではWindows版固有のMAMEの動作設定について解説しています。 Windowsベースのシステムで、コマンドラインからMAMEを動作させる場合の、プログラム の使い方と設定方法について記載しています。各システム共通の設定については、 config.txtファイルを参照して下さい。 デフォルトキー -------------- config.txtで説明しているものに加えて、以下のキーがWindows版MAME用に定義されて います: - Alt+Enter フルスクリーンとウィンドウモードを切り替えます。 Windows版デバッグ設定 --------------------- -[no]oslog Windows版デバッガに、error.logデータを出力します。このオプションは、-log と同時に使用して、ログデータを両方に出力することもできます。 デフォルトはOFF(-nooslog)です。 Windows版パフォーマンス設定 --------------------------- -priority MAMEのスレッド優先度を指定します。デフォルトの設定では他のアプリケーショ ンの動作を妨げないレベルになります。有効範囲は-15から1で、1に設定すると 最優先になります。デフォルトは0 (標準のプラオリティ)です。 -[no]multithreading / -[no]mt MAME内のマルチスレッディングを有効にします。現状では、ウィンドウと DirectDraw、またはDirect3Dコードを全てセカンドスレッドで動作させます。 ハイパースレッディングやマルチコアシステムのときにパフォーマンスを向上で きます。このスイッチは今のところ実験的に導入しています。デフォルトは OFF(-nomultithreading)です。 Windows版表示設定 ----------------- -video 画面表示に使用する描画サブシステムを指定します。 「gdi」を指定すると、MAMEはWindows標準のグラフィック描画関数を使用します。 これは最も遅い方法ですが、一番互換性が高い設定です。 「ddraw」を指定すると、MAMEはDirectDrawを使って描画します。この方法では、 まずあらかじめ全てを低い解像度で描画してから、最終的に拡大して表示します。 特に、旧型の比較的パワーが低いビデオカードで速度が出ますが、出力画質は落 ちます。 「d3d」ではDirect3Dを描画に使用します。この方法では最高の画質と、全ての 描画系オプションが使用できます。最近(2002年以降)のビデオカードを使ってい る場合はこの設定を勧めます。 「none」ではウィンドウ出力をせず、描画を行いません。これは主に、表示シス テムのオーバーヘッドなしでCPUのベンチマークを行うためのものです。 デフォルトはd3dです。 -numscreens MAMEがいくつの出力ウィンドウを作成するか指定します。ほとんどのゲームは 1画面ですが、マルチスクリーンを使用するものもあります。スクリーン(最大4) はそれぞれ独立した物理モニタ、アスペクト比、解像度、ビュー(以下のオプショ ンで指定)を設定できます。デフォルトは1です。 -[no]window ウィンドウモードと全画面表示の指定です。デフォルトはOFF(-nowindow)です。 -[no]maximize / -[no]max ウィンドウモードの初期サイズを設定します。ONにすると可能な限り最大化して 起動します。OFFではサポートされる最小サイズとなります。-windowを指定した ときだけ有効です。デフォルトはON(-maximize)です。 -[no]keepaspect / -[no]ka 表示の縦横比を固定します。ONのときには、ゲームでの正しい表示比率(一般的 に4:3か3:4)に固定され、本来の表示を得ることが出来ます。ウィンドウモード でこれをONにしているときは、ウィンドウの拡大縮小時も比率が維持されます。 比率を変えたい場合はCONTROLキーを押しながらリサイズして下さい。OFFにした ときは、比率の変更は自由に行えます。つまりフルスクリーン時には、縦画面ゲー ムを含む全部のゲームが画面いっぱいに引き伸ばされることになります。また ウィンドウモード時では、制約なしに自由にウィンドウのリサイズが出来ます。 デフォルトはON(-keepaspect)です。 -prescale 拡大表示のためにグラフィックシステムへ渡す前の画面イメージサイズを指定し ます。最小値は1で拡大前のオリジナルサイズで画面を描画します。数値を上げ ると、拡大処理前に、画面を倍に予め拡大します。-video ddrawまたは -video d3dで指定すると、いくらか速度は落ちるもののボケの少ない表示になり ます。-video ddrawモードでは、さらにアートワークやフォントなど、画面以外 の要素の表示解像度を増やすことになります。デフォルトは1です。 -effect 表示部のうちゲーム画面にオーバーレイ処理をするPNGファイルを指定します。 PNGファイルはartpathのディレクトリに配置します。PNGファイルパターンは画 面全体を覆うように繰り返えされ(外部のアートワークは除く)、ゲームイメージ のターゲット解像度で描画されます。-video gdiと-video d3dモードでは、PNG の1ピクセルは出力表示の1ピクセルに対応して適用されます。-video ddrawでは、 PNGの1ピクセルは予め拡大された画面の1ピクセルと等しくなります。このため、 -prescaleの拡大率の分だけ拡大したPNGを用意する必要があります。PNGの各ピ クセルのRGB値はターゲット画面のRGB値と乗算されます。デフォルトは「none」 で、エフェクトを使用しません。 -[no]waitvsync 画面に描画を始める前に、モニターのリフレッシュ周期が終了するのを待ちます。 このオプションがOFFのときはモニターのリフレッシュ周期の途中でも画面描画を します。そのため、画面の上部分と下部分が合わずに「ずれる」ような表示にな ることがあります。この「ずれ」は全部のゲームで目立つものではありませんが、 これが嫌いな人もいることでしょう。しかし、この設定をすると正しい描画タイ ミングを待つためにCPUパワーが無駄になり、パフォーマンスに影響が出ます。 また、これは基本的にウィンドウモードでのみ必要なものですが、フルスクリー ンモードでも、-triplebufferで画面描画のずれを解決できないときのみ設定し ます。このオプションは-video gdiモードでは動作しないので注意してください。 デフォルトはOFF(-nowaitvsync)です。 -[no]syncrefresh 速度制限をモニタのリフレッシュレートに合わせます。つまり、ゲームの実際の リフレッシュレートは無視されます。しかし、サウンドコードの方はオリジナル のレートに合わせようとするため、サウンドは変になります。これも -matchrefresh同様に、ビデオカードの設定を変更して特殊なリフレッシュレー トが利用できるようにしている人が対象です。このオプションは、-video gdiモー ドでは動作しません。デフォルトはOFF (-nosyncrefresh)です。 DirectDraw専用の設定オプション ------------------------------ -[no]hwstretch / -[no]hws これを有効にすると、MAMEはビデオカードのハードウェア拡大機能を使って、ゲー ム画面とアートワークを目的の解像度へ拡大します。表示画質は使っているグラ フィックカードとそのドライバによって決まり、アンチエイリアス処理される場 合と、拡大したままの場合があります。どちらも気に入らないかもしれません。 さらに、MAME専用にアーケード風ビデオモードを設定していて、MAMEにイメージ の拡大処理をさせたくない場合はこのオプションをOFFにしてください。デフォ ルトはON(-hwstretch)です。 Direct3D専用の設定オプション ---------------------------- -d3dversion MAMEは互換性を上げるためにDirect3D 9とDirect3D 8の両方をサポートしていま す。デフォルトでは、どちらが使えるかを自動で判断して、片方のみを使用しま す。このオプションを使うと、MAMEによる選択を無効にできます。これは、MAME 開発者に古いハードでの互換性をテストする手段を提供するのが主な目的で、ほ んとんどケースでは設定を変える理由はありません。デフォルトは9です。 -[no]filter / -[no]d3dfilter / -[no]flt ゲーム画面グラフィックのバイリニアフィルタリングを有効にします。設定しな いときはポイントフィルタリングが適用されます。この場合、表示はシャープで すが拡大による歪みが出ます。フィルタリングされた表示を好まない場合は、 フィルタリング自体はOFFにはせず、-prescaleの値を増やした方がよいでしょう。 デフォルトはON(-filter)です。 ウィンドウ毎の設定オプション ---------------------------- -screen -screen0 -screen1 -screen2 -screen3 各ウィンドウがデフォルトで使用する実際のモニタを指定します。マルチウィン ドウを使うには、-numscreensオプションの値を増やす必要があります。各ディ スプレイの名称は、MAMEを-verboseオプションを付けて動作させると表示されま す。通常は「\\.\DISPLAYn」のフォーマットでnには1から接続しているモニタの 数までの数字が入ります。デフォルトの値は「auto」で、1番目のウィンドウが 1番目のディスプレイ、2番目のウィンドウが2番目のディスプレイ…と設定され ます。 -screenは全ウィンドウに適用されます。-screen0, -screen1, -screen2, -screen3のパラメータは各ウィンドウに適用され、全ウィンドウ用の設定を上書 きします。 -aspect <幅:高さ> / -screen_aspect -aspect0 <幅:高さ> -aspect1 <幅:高さ> -aspect2 <幅:高さ> -aspect3 <幅:高さ> 各ウィンドウで使う物理モニタの実際のアスペクト比を指定します。マルチウィ ンドウを使用するには、-numscreenオプションの値を増やす必要があります。物 理的なアスペクト比は表示画面の幅と高さを計り、コロンで分けて指定します。 デフォルト設定は「auto」で、MAMEが各モニタ毎のデスクトップピクセル数に比 例してアスペクト比を求めます。 -aspectは全ウィンドウに適用されます。-aspect0, -aspect1, -aspect2, -aspect3の設定は各ウィンドウに適用され、全ウィンドウ用の設定を上書きしま す。 -resolution <幅x高さ[@リフレッシュレート]> / -r <幅x高さ[@リフレッシュレート]> -resolution0 <幅x高さ[@リフレッシュレート]> / -r0 <幅x高さ[@リフレッシュレート]> -resolution1 <幅x高さ[@リフレッシュレート]> / -r1 <幅x高さ[@リフレッシュレート]> -resolution2 <幅x高さ[@リフレッシュレート]> / -r2 <幅x高さ[@リフレッシュレート]> -resolution3 <幅x高さ[@リフレッシュレート]> / -r3 <幅x高さ[@リフレッシュレート]> 実行時の正確な解像度を指定します。フルスクリーンモードでMAMEはここで設定 した解像度の使用を試みます。リフレッシュレートは任意です。値を省略、また は0に設定すると自動で画面モードを決定します。例えば、-resolution 640x480 とすると強制的に640x480の解像度を使いますがリフレッシュレートはMAMEが選 択します。同様に-resolution 0x0@60とすると、リフレッシュレートは60Hzにな りますが、解像度はMAMEが選択します。文字列「auto」は0x0@0と同じ意味です。 ウィンドウモードでは、この解像度はウィンドウの最大サイズとして使います。 -video ddrawや-video d3dで実際に解像度の変更をするには-switchresオプショ ンも指定する必要があります。デフォルトはautoです。 -resolutionは全ウィンドウに適用されます。-resolution0, -resolution1, -resolution2, -resolution3の設定は各ウィンドウに適用され、全ウィンドウ用 の設定を上書きします。 -view <ビュー名> -view0 <ビュー名> -view1 <ビュー名> -view2 <ビュー名> -view3 <ビュー名> 各ウィンドウのビュー設定の初期値を指定します。<ビュー名>は完全にマッチす る必要はありません; <ビュー名>で指定したキャラクタが全てマッチした最初の 名前のものを選択します。例えば、-view nativeは「Native (15:14)」のビュー にマッチします。「auto」の指定もでき、MAMEがデフォルトの選択をします。デ フォルト設定は「auto」です。 -viewは全ウィンドウに適用されます。-view0, -view1, -view2, -view3の設定 は各ウィンドウに適用され、全ウィンドウ用の設定を上書きします。 フルスクリーン用の設定オプション -------------------------------- -[no]triplebuffer / -[no]tb トリプルバッファを使うかどうかの設定をします。通常、MAMEでは特別なバッ ファリングをせず、画面に直接描画します。このオプションを設定することで、 描画用のバッファを3枚用意し、それを順番に表示します。一番目のバッファの 内容が表示されているときには、二番目は表示待ち、三番目は描画中という動作を して、できるだけ表示が途切れないようにします。バッファが正常に作成される と、-triplebufferは-waitvsyncをオーバーライドします。このオプションは -video gdiでは動作しません。デフォルトはOFF(-notriplebuffer)です。 -[no]switchres 解像度の変更を可能にします。この設定はフルスクリーン時に-resolutionオプ ションで解像度を変更するために必要です。ハードウェアストレッチ機能のある 最近のビデオカードでは、オリジナルゲームと完全に一致した解像度を使う場合を 除いて、解像度を変更する意味合いはほとんど薄れています。このオプションは LCDモニタ向けに解像度を固定する場合にも有用です。デフォルトは OFF(-noswitchres)です。 -full_screen_brightness / -fsb <値> 画面全体の明るさ、または黒レベルをコントロールします。通常の値は1.0です。 これよりも低い値(0.1~)にすると暗い表示に、高い値(~2.0)にすると明るい表 示になります。ビデオカードによっては、このオプションをサポートするハード 機能がないので注意してください。また-video gdiのときも動作しません。 デフォルト値は1.0です。 -full_screen_contrast / -fsc <値> 画面全体のコントラスト、または白レベルをコントロールします。通常の値は 1.0です。低い値(0.1~)を選ぶと暗く、高い値(~2.0)を選ぶと白飛びする方向 で表示します。ビデオカードによっては、このオプションをサポートするための ハード機能がないものがあるので注意してください。また-video gdiのときも動 作しません。デフォルト値は1.0です。 -full_screen_gamma / -fsg <値> ガンマ値を調整します。これにより黒から白への出力傾斜を非線形に設定します。 通常値は1.0で、黒から白への対応がまっすぐそのままの出力します。低い値(最 低値は0.1)は出力を黒方向へ非線形に下げます。逆に高い値(最高値は3.0)は、 白側へ非線形に出力を押し上げます。このオプションをサポートするためのハー ド機能がないものがあるので注意してください。また-video gdiのときも動作し ません。デフォルト値は1.0です。 Windows版サウンド設定オプション ------------------------------- -audio_latency <値> オーディオストリーミングのレイテンシ量を制御します。デフォルトでは、オー ディオバッファ全体の1/5から2/5の量でDirectSoundのバッファを保持しますが、 システムによってはこれでは足りないかもしれません。ここで設定するパラメー タは下側の閾値を制御しますデフォルトは1(下限=1/5、上限=2/5)です。2に設定 するとバッファは2/5~3/5の間になります。4まで設定可能ですが、明らかに音 ずれがわかるレベルになります。 Input device options -------------------- -[no]dual_lightgun / -[no]dual MAME側から光線銃が2本同時に接続されているかチェックします。-lightgunの設 定も必要です。このオプションは以前のデュアル光線銃設定をハックしたもので す。複数の光線銃を接続している場合は、おそらく-mouseを有効にしてそれぞれ の銃を設定するだけでよいはずです。デフォルトはOFF(-nodual_lightgun)です。